この記事は、
・DIY初心者に向けて書いています。
・木工DIYや日曜大工にフォーカスを当てた工具選定をしています。
・最初に揃えたい基本工具がわかります。
・元現場監督の筆者が、現場で学んだ知識を活用して執筆しています。
はじめに
こんにちは!
アンドレです。
DIYを始めたいけど、「どの工具から揃えれば良いんだろう?」「全部そろえると高そうだな、、、」とお悩みでしょうか。
どれも種類はたくさんあって、同じ用途のものでも値段がピンキリ。作りたいものがあっても何から買えばいいか迷ってしまいますよね。
実際、DIYは「作りたいもの」や「予算」によって必要な工具が変わります。なので最初から全部買う必要はありません。
この記事では、DIY初心者の方でも深く悩んだりせずに「まず必要な工具→あれば便利→作りたい作品別」の順で無駄なく揃えられるようにわかりやすく解説します。
最低限の工具セットから、電動工具のステップアップまで、あなたのDIYレベルに合わせて参考にしてください。
DIY初心者がまず揃えるべき基本工具
主に木工DIYや日曜大工にフォーカスした工具選定をしています。
コンベックス(5m程度)
寸法を測るのはDIYの基本。あまりに安いものだと勝手が悪くて不便。作業性が落ち、測定ミスに繋がる。
→ 丈夫かつ伸ばした位置でテープロックできるコンベックスタイプがおすすめ。
コンベックスはメジャーとは違います。別の記事でコンベックスを解説していますので参考にしてください。
差し金(さしがね)
L字型の金属製の定規。木材の長さを測ったり、直角を確認することができます。家具や棚づくりのような木工DIYでは必須ツール。
→ まずは15cm+30cmのタイプが使いやすくておすすめ。
※差し金の使い方は非常に奥が深くて、別の解説記事を作成中です。
カッター
カッターには「切る」だけなく「削る」「剥がす」「溝を入れる」といった用途がある。DIYでは梱包材の「カット」だけでなく、木材の「墨付け」や「バリ・面取り」、コーキングやシールなどの「除去」などなど用途が幅広い。
→ 木工DIYには太刃タイプがおすすめ。クラフト系にはデザインカッター(デザインナイフ)がおすすめ。
のこぎり(手ノコ)
電動丸ノコより先にまず1本。作業によっては電動丸ノコでは届かないところが出る。そんなとき結局必要になるのが手ノコ。
→ 迷ったら「ゼットソー」シリーズの替刃式が使いやすくておすすめ。
ドライバーセット
+(プラス)とー(マイナス)を最低1本ずつは欲しい。木工DIYや家具家電の修理には握りやすく力の入れやすいグリップ形状のものがおすすめ。長さは全長150~200mm前後が幅広く使えて無難。先端は#2(2番)が標準サイズ。先端がマグネットになっているタイプもあるがこれは好み。
→ まずは手回し式のハンドツールで十分。将来的にDIYでもっとたくさんのものを作りたいとなったときは、後述する電動ドライバーを検討しよう。
電動式はもちろん便利だが慣れないと微調整がしづらい。回し過ぎて木割れしてしまったり、仮止めにしておきたいのに本締めしてしまったり、重さでビット先の狙いがブレたりなどのデメリットがある。まずはハンドツールから入ろう。
クランプ(2本以上)
木材を固定する道具。DIY初心者が軽視しがちだが精度が決まる非常に重要な工具。第三の手となってくれる。C型、F型、クイックバー式、スプリング、コーナー用、ベルト式、ハタガネなどたくさんある。
→作りたいものにもよるが、木工ならまずはクイックバークランプがおすすめ。
サンドペーパー(#120〜#400)
仕上がりを大きく左右する研磨ツール。木材のバリ取り・面取り、塗装前の下地作り、塗装後の刷毛跡の処理、エイジング加工、サビ取りと用途が幅広い。
「#○○○」は番手といってサンドペーパー表面の目の粗さを示す。数値が小さいほど粗く、大きいほど細かい。
バリ取り程度なら粗目#120、塗装前の下地調整なら中目#180~#240、仕上げは細目#320~#400が目安。
→セット品があるのでとりあえず#120~#400あたりが入っているものを選んでおけば間違いはない。
→ まずはここまででOK!
ちょっとした棚やボックスなら十分作れます!
予算にあえば買いたい「+α」の電動工具
「DIYが楽しくなってきた!」という段階で導入すると作業効率がブーストする電動工具。ハンドツールに比べると高価だがDIYを将来的に続けていくなら買う価値は超高い。
電動ドライバー
インパクトとドリルドライバーどっち問題がある。
DIY初心者であれば最初はドリルドライバーがおすすめ。インパクトは打撃を与えながら回転する仕組みで、慣れないと手元がブレたりネジを締めつけ過ぎてしまう恐れがある。
一方、ドリルドライバーは繊細な作業が得意。回転のみのトルク調整ができる仕様なので締め過ぎる問題を解消できる。
おすすめメーカーはmakita(マキタ)かHiKOKI(ハイコーキ)。
ドリルドライバーはmakitaのDF030DZかDF033DZ、HiKOKIのFDS18DA。
インパクトはmakitaのTD173DZ、HiKOKIのWH36DDが初心者でも扱いやすいエントリーモデル。
サンダー
研磨作業をスピーディかつ均一、キレイにこなす神ツール。
ペーパーヤスリで広い面積や数をこなすのはかなりキツイ。握力はもちろん、ほぼ全身の筋肉を使う地味でハードな作業。サンダーを導入すれば最高のパフォーマンスが得られる。
木工DIYでは主に、オービタルサンダー、ランダムサンダー、コーナーサンダー、ベルトサンダーなどが使われる。
それぞれの特徴を簡単にざっくり説明すると、
オービタルサンダーはコスパ優先。
ランダムサンダーは研磨力が高いが専用のサンドペーパーが必要でコストがかかる。
コーナーサンダーは組み立てた作品などの内側にある角を研磨することが多いときに特化。
ベルトサンダーは強力な研磨力があるが仕上がりに不向きで塗装剥がしや荒仕上げに特化。
「仕上げ」を考えればオービタルサンダーかランダムサンダーのどちらかの選択になる。コスパを重視するか、多少のコストをのんで研磨力をとるか。結論、どちらを選んでも間違いではない。
オービタルサンダーであればmakitaの仕上げサンダ「BO3710」、ランダムサンダーであればBOSCHの吸じんランダムアクションサンダー「GEX125-1AE」がおすすめ。
ジグソー
電動ノコギリの一種。曲線加工や窓抜きが得意。木材だけでなく金属や樹脂のカットもできる。小回りが利くので繊細な作業に向いている。丸ノコに比べると「正確な直線切断」は苦手だが安全性は高い。
ハンドツールだと糸ノコや挽き回しノコがこれにあたる。
おすすめメーカーはmakita(マキタ)、HiKOKI(ハイコーキ)、BOSCH(ボッシュ)。中でもBOSCHはジグソー発祥の地であるドイツの老舗電動工具メーカーで信頼性が高い。
導入コストを抑えたい場合は、高儀のEARTHMAN オービタルジグソー 「JSW-100SC」 がコスパ優秀。
丸ノコ
スピーディかつ正確な直線カットが得意。木材をたくさん切りたい人、作業スピードと直線仕上がりの精度を重視したい人におすすめ。
ただし、危険度が高い。キックバックという現象が起きやすく、刃が材料に挟まり本体が跳ね返ったり、材料が飛んだりする恐れがある。また高速回転系の工具なので巻き込みのリスクがある。作業手袋の着用禁止などルールが定められている。
初心者向けとして、軽量でコンパクトなノコ刃径125mm~165mmサイズのコード式丸ノコがおすすめ。たとえばHiKOKIの「FC6MA3」や、京セラ(旧リョービ)の「MW-46A」など、価格が手頃でシンプルな機種がベター。
充電式が好みであればHiKOKIの「FC1806DA」、makitaの「HS631DRGXSB」がおすすめ。
メーカー選びに迷ったら
電動工具もたくさんあって迷ってしまいますよね。そんなときは私はmakita(マキタ)をおすすめします。
makitaもよく考えたもので、バッテリーを電動工具だけに用途を絞るのではなく、USB充電やポータブル電源、クーラーボックス、照明、ラジオ、扇風機、掃除機など様々な家電・アクセサリに使えるように商品がラインナップされています。
キャンプなどのアウトドアをする人には強い味方になります。アウトドア派でなくとも防災ツールとして災害時に「あってよかった」と安心を買うこともできます。
もしメーカー選びに決めかねるのであれば、私はmakitaをおすすめします。
makitaの公式HPのリンクを貼っておきますので参考にしてください。

作りたいものから考える工具一覧
以下を参考にして、作りたいものから必要になる工具を選定してください。
小物(スパイスラック・小棚)
必須:コンベックス、差し金、手ノコ、ドライバー
あると便利:電動ドライバー、サンダー
ベンチ・サイドテーブル
必須:コンベックス、差し金、手ノコ、クランプ
あると便利:電動ドライバー、サンダー、丸ノコ
大型棚・机・テレビボード
必須:コンベックス、差し金、クランプ、ドライバー
推奨:電動ドライバー、丸ノコ、サンダー
工具を揃える優先順位の考え方
ムリ・ムダ・ムラを最小限に抑えるには、DIYに取り組む前の段階での考え方が大切です。
「作りたいもの」を先に決める
目的なく工具を揃えるとどうしてもムダな買い物が発生しがち。のちのち使える工具かもしれないが、まずは目的にフォーカスを当てる。便利で好奇心が掻き立てられるものがたくさんあるけど、目移りしないように注意したい。
まずは手工具 → 次に電動工具へ
効率は大切だがハンドツールを使うことで基礎を学ぶことができる。基礎を理解すれば上達も早い。最初から電動工具に頼って効率ばかりを求めていると、結果的に上達が遅れる。昭和っぽい考え方で賛否両論あるとは思うけど、個人的には大切な考え方だと思う。
精度に関わる工具はケチらない
コンベックスや差し金、クランプなど精度や作業性に関係してくる工具類は、多少高くても出し惜しみしない方が無難。誤測による切断ミスは結構イタイ。再び資材調達に行く手間、余った木材どうしよう問題、などムダまみれになる。仕上がるものも仕上がらなくなり、DIYが嫌になってしまったらそれこそもったいない。費用対効果が高いので可能な限りケチらない方が良い。
コスパ良く工具を揃えるコツ
ホームセンターのレンタル工具を利用する
特に丸ノコ・サンダーは使う頻度が低い人におすすめ。場所によってホームセンター内でのレンタルなのか、持ち出しOKなのか、などサービス内容が違うので事前チェック大事。
ちなみにカインズは持ち出しOK。例えば丸ノコは1日1200円、サンダーは1日400円、ドリルドライバーは1日400円など。貸出可能な工具のメーカーは店舗により異なる。
つくば市近郊のおすすめホームセンター紹介記事も書いているので、よかったら参考にしてください。
100均アイテムも組み合わせる
サンドペーパーや小物用クランプなどは100均から導入し始めてもいいかもしれない。
セット売りは「中身」と「品質」をチェック
特に電動ドライバーの格安セットはバッテリーやトルクが弱かったりする。すぐ壊れる可能性も高い。購入する際は口コミやレビューの確認必須。
まとめ
DIYを始めるにあたって最初から工具を全部揃える必要はありません。むしろ全部まとめて揃えようとするとたくさんの種類があって迷ってしまいます。あれも欲しい、これも欲しいとなってしまう落とし穴があります。
まずは紹介した基本工具を参考にして最低限のハンドツールから揃える。慣れたら電動工具へレベルアップ。電動工具で迷うならレンタルを活用して使い勝手を知る。といった手順で進めていくと「作る」DIYだけでなく、工具の奥深さを「知る」DIYにも発展します。するとよりDIYを楽しむことができると思います。
作りたい作品に合わせて、必要なものから少しずつ増やしていきましょう。種類の違いなどを調べながら自分に合った工具を見つける。ずばり良い工具に出会えるコツです。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!
DIYを楽しむ一助になれば幸いです。




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